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さて、私が先程申し上げたISO9000というものであるが、これは、実際にわれわれの顧客に対して「こういうサービスをします」という契約書でもある。例を紹介すると、苦情のためにある人がオフィスを直接訪れた場合、訪れてから5分以内に実際にその人に会って話をしなければならないということになっている。(もしもそのサービスに十分に満足できないという場合には、私たちのオフィスの第一次官又は長官の所へ来てもよい)。また、苦情申立てがあってから14日以内に調査を開始しなければならない。申立て人に対しては毎月1回、申立て事項についての進捗状況を報告しなければならない。しかし、ここにも難しい問題がある。これが、われわれの一連のサービスの基準とでもいうべきものであるといえる。したがって、顧客がこれで満足できるかどうかを自分で決めるわけである。一言で言ってしまえば何らかの苦情がある、すなわち公共のサービスに満足できないというときには、われわれのオフィスを訪れて来ればよいわけである。(これに対してはお金を払う必要はない)。

先程のユージン・ビガノフスキー氏の話と同様、一旦、苦情の申し立てがあると、非常に慎重に調査を行っていく。というのは、それぞれの個人に実際に面接室で話を聞くと、必ず何らかのネガティブなマイナス面が少しずつ見えてくる。しかし、だからといって、調査を完了するまでは、その人が本当に悪いことをしているのか、罪があるのかということは分からないわけであるから、われわれが面接を行った時点で、既に自分たちに罪があるというようには感じて欲しくはないわけである。

次に、われわれは遅延を一番嫌う。遅れることなく、できるだけ早く調査をして解決を引き出している。しかし、例えば、見解の違いであるとか法律の濫用という問題が出てくると、時間が少しかかる。私の基準としては、私の所の職員はその苦情を3か月以内に解決しなければならないと考えている。もしも3か月以内に解決できない場合には、次長の所に上がってくる。その次長が2週間以内に解決できない場合には、私が直接そのケースを担当することになる。

そこで、まず苦情を受け付けると、その問題が組織に関する系統的(systemic)なものかどうかで分類していく。系統的な問題というのは組織に関わってくる問題である。組織の中に問題がある、すなわち、法律が現在に見合わない古いものになってしまっているとか、あるいは手続きに時間がかかりすぎるというのが、系統的な問題というものの分類に入る。例えば、あるホテルがテレビのライセンスを更新したいとする場合には、200室あるホテルだと200のライセンスの更新ということになる。そういうときに200室あるのだから、200のテレビがあるのだから、200の書類を書かなくてはいけないということは、われわれはもう言わない。1つのホテルの中に200室あるのだから1枚の書類で更新すれば、それで200室分の更新がカバーできるという規則にしている。われわれはこういうふうな形で、業務のシステムを改善していこうとしているわけである。しかし、省庁の長がわれわれの意見を聞いてくれないこともある。その場合には、その問題を内閣にかけることになる。内閣にかけると、大抵の場合、問題を解決することができる。次に、われわれがやっているのが手続きの改善である。西洋ではこれをリ・エンジニアリングと言っている。しかしそれだけではなく、やはりわれわれの顧客をハッピーにしてあげなければいけない、それが一番大切なことである。だから、問題をできるだけ迅速に解決することが大切である。

 

 

 

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